悪戯の思い出 西瓜畑
むかしは町にガキ大将がいて、いろいろと悪戯を教えてくれたものです。
ガキ大将にはなれませんでしたが、今も心に残っている悪戯の思い出があります。
近所の植木屋の息子が、大学生が西瓜を盗んで結構うまいめをしていることを知り、自分達も真似ようと相談が纏りました。
仲間五・六人の賛成もあって、ある日実行に移したのです。暗くなって松任、倉光間にある西瓜畑に忍び込みました。夜空にお星さまがキラキラと輝いていました。遠目でも多少人影がわかるほどの夜だったと思います。目当ての西瓜に手を触れドッコイショと持ち上げようとしたとたん「ドロボー、ドロボー」と、番小屋から大きな声で怒鳴られました。
こちらは大きな西瓜を抱え上げたところです。びっくり仰天、西瓜を投げ捨てて桜並木の西川道を後をも見ずに百メートル十五秒位の勢いで、一目散に家へ逃げ帰り小さくなっていました。ところがおそいのがいて誰かが捕まったようでした。
翌朝学校へいくと捕まった友達が昨夜の泥棒を集めて、すまぬがわしについて来てくれということになり、全員が揃ってお詫びにゆくことになったのです。ところがお詫びにいった先が、主唱者の植木屋の子の父が、毎日植木の手入れにいっていた家でした。
植木屋の息子も、顔見知りであったのです。幸いにこの事件は大事に到らずにすみました。