大阪に戻った私は早速に日精商事さんとお会いし、お返事が遅くなったお詑びと共に、日精商事さんからの詳しいお話で、ナイロンは国内産石炭から作られる、強く・軽く・美しい合成繊維と知りました。そしてこの生地が秘める可能性はとてつもなく大きなものがあるとわかり、今までカバンの材料には天然素材を扱っていた私にとって、只々科学の進歩に驚かされたものでした。

幸いにも大丸大阪店さんのナイロン大展示会（４月５日）に向けてのバッグ縫製は、協力工場のＳさんにお願いすることが出来ました。氏はカバンづくりにおける多年の経験と、確かな技術をもって制作にあたってくださり大展示会でのバッグは上々の評判でした。

間も無くして、髙島屋大阪店さんからもナイロンバッグ展示会（５月１０日）の依頼がありました。

差し迫る期日のなか新商品の開発に取り組み、ショルダーバッグ、ボストンバッグ等１００点を出品。従来のカバンにはない多彩でお洒落なデザイン、そのうえ丈夫という特長がたちまち反響を呼び、関係者から「カバンの一大革命」と高い評価をいただきました。