合成皮革時代の訪れ
1960年(昭和35年)1月、東洋レーヨン(現・東レ)さんからナイロンに続く新たな素材として「東レデラクール」が発表されました。エースは合成皮革であるこの新素材を用いた多様な新商品を次々と開発し、この年の7月1日「東レデラクルエースバッグ」を発表、全国一斉に発売しました。発売と同時に大きな反響を呼び、瞬く間にナイロンバッグと並ぶヒット商品となったのです。
そして、この新素材の誕生をきっかけに、メーカー各社より相次いで合皮の素材が発売され、カバン業界は一気に合成皮革時代に突入します。合皮はカバンを作るうえでも従来の生地と比べて加工が施し易く、また豊富な色が揃うことから、カバン各社は多品種の生産が可能となり、店頭に並ぶ商品は一段と鮮やかさが加わりました。全国の百貨店・専門店の売り場にも美しくも大小様々な形や色のカバンの花が咲き揃ったのでした。