新川柳作記念館 Ryusaku Shinkawa Memorial

ACE

日本万国博覧会 かばん業界唯一の出展

世界の人形コレクションを展示

1970年(昭和45年)に開催される、日本万国博覧会(大阪府吹田市)への出展(生活産業館)が決まったものの、商品の陳列は認めないとの想定外の通知が届きます。展示アイデアに行き詰まった私が、ヒントを海外に求めようと、商談を兼ねてミラノの取引先を訪れた時のことでした。オフィスの壁画を見た瞬間、「これだ!」と私は叫びます。それは世界地図に、各国の民族衣裳を身に纏った人々が世界旅行をしている画でした。私が思い描いていた構想にぴったりで、この画こそが展示テーマ「世界の旅と人形」のもととなったのです。

ところがこの壁画によって展示の構想は固まるものの、ご来場の皆様に喜んでいただけるような人形に出会う事が思うように捗らずにいたのですが、そんな折、朗報が飛び込みます。世界中の珍しい人形を収集する方がいるというのです。

私はぜひ拝借したく思い、善は急げと早速にニューヨーク近郊のその方を訪ねたところ、氏は快く多くの人形をお貸しくださいました。

こうして無事に万博の開幕を迎えますと「生活産業館エースコーナー」の、愛らしい人形たちは大変な人気者となり、評判が評判を呼び、入館者数も予想を大きく上回ります。また、4月にはオランダのベアトリックス王女ご夫妻、7月には皇太子殿下と美智子妃殿下、三笠宮殿下の皇室方々もお見えになるという大成功を収めたのです(全て当時の肩書)。



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