帰国早々に、上海市虹口区でかばん作りを始めたいグループがある、との良い知らせが届きます。私は直ぐに上海へ飛び、グループの責任者と面会し、「私は、いままでに貴国を二度訪問しましたが、多くの方々にお世話になり、ただただ感激いたしました。そんな皆さんへ、何かお役に立つことが出来ないかと考えておりましたが、エースの技術と、皆さんの熱意をして中国ナンバーワンのかばんを作りあげることが、今の私に出来ることだと思い至りました。私は決して金儲けのためにここに来たのではありません。皆さんにかばん作りの技術と、もの作りの心をお伝えし、中国の皆さんにこんな素晴らしい製品ができるのかと喜んで頂き、世界中で使って頂けるバッグを作ってもらいたいのです」とお伝えし、設備と技術の提供を申し出たのです。

明けて１９８０年（昭和５５年）１月、上海友誼箱包工場が従業員２６名にてスタートし、その翌年には４階建て工場に移転拡張され、従業員も２００名を超える発展を遂げました。