デボネア第一号が完成
デボネアの発表会を1967年(昭和42年)2月初旬、そして3月3日に全国販売する計画でした。ところが、1966年(昭和41年)の年末、デボネア生産に不可欠な金型について「年内には納品できかねる」と依頼先のサムソナイト社から通知を受けたのです。
全ての設備が整う中、後は金型を待つだけでしたので、私は国際電話で「世界最大といわれる御社が一度お引受けになった以上は御社の責任です。御社としてもメンツがございましょう。どうか間に合わせて下さい」と強くお願いしました。
これに対し緊急指令を出されたのでしょう。まずデボネアに関する全資料が、そして半製品の機械が空輸され、技術指導のため来日中のウバ・トシオさんに届きます。ウバさんは小田原工場スタッフと力を合わせデボネア製造に尽力されて、12月29日深夜1時、ついに第一号が完成したのです。私はその喜びをサムソナイト社に電報で伝えました。