勝義から柳作へ改名
私は幼名を勝義(かつよし)と名付けられました。名前はと聞かれるたびに「かつは勝利の勝、よしは源義経の義」と説明するのですが、立派な昔の人の名をいわねばならぬことがなんだか恥ずかしかったのです。
私は独立を機に商人として相応しい柳作と改名しました。名付けて頂いたのは、石川県金沢市出身でランドセルの製作販売をされておられた花松有年さんでした。花松さんは本当に人の良い博識者であり、独立に当たっては色々とお教えをいただきました。
新しい名前の柳作の「作」は田吾作の作、物を作る「作」であり、柳作の「柳」は新しい川に雪折れしない柳がよく成長するという意味も含まれているようです。名は体を現すといいますが、私も勝義の旧名から柳作となり、なんだか身も心も軽くなったようで、自然に勇気が湧いてくるのを感じました。
後年、加藤廉吉さまに「改名したのか」といわれました。その時「名前でそんなに気にするのであれば勝義を、かつみと呼べばよかったのに」とおっしゃられました。「なるほどそれもいいですねと」申しましたがすでに改名しておりました。